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 1月14日にキャロルが没してから、新聞。雑誌でキャロルの追悼文や友人たちによる回想が掲載された。ここに挙げるのはStrand Magazine 1898年4月号に掲載された、キャロルの少女友達の一人ビアトリス・ハッチによる回想の表紙ページである(写真上)。
 なお、この回想の巻末に、キャロルを記念した『不思議の国のアリス』ベッド実現への寄付を求める記事がある(写真下)。この『不思議の国のアリス』ベッドは、キャロルの死後、14歳のオードリー・フラーという少女が『セント・ジェームズ・ガゼット』紙に宛てた投書で、児童病院の中にベッドを一つ買い取って、キャロルを記念した『不思議の国のアリス』ベッドと名付けてはと提案、同紙寄付の受付を始めたもの。最終的に1898年10月にグレート・オーモンド・ストリート児童病院に対し1,000ポンド寄付するに至った。




(訳)
 ドジスン氏の友人の多くが、この他者に多くのことをした人間の思い出を顕彰するために、また何千人もの人間が不滅の「アリス」という贈り物に感謝しなければならない人のために何かしたいと思っています。そのため、寄付金を集めてグレート・オーモンド・ストリート児童病院にベッドを寄付する計画を立てました。このベッドはドジスン氏がたいへん興味を持っていた舞台関係の仕事をしている子供たちのために使われるようにします。計画にはオールバニー公爵夫人殿下、ファイフ公、ファイフ公爵夫人殿下が暖かく支援してくださっています。実行委員の中には以下の方々もいらっしゃいます。オクスフォード司教、ダーラム司祭、ジョージ・マクドナルド博士、サー・ヘンリー・アーヴィング、リデル夫人、レジナルド・ハーグリーヴズ夫人(「アリス」のモデル)その他「ルイス・キャロル」の旧友たち。また、仕事の上で関わりのあった人たちとしてフレデリック・マクミラン氏、サー・ジョン・テニエルその他。『アリス』の読者はすべて、老いも若きも参加を募集します。寄付はソーホ・スクエア J. T. ブラック様(会計)、ロンドン パレス・コート31番 ハーバート・フラー夫人(事務局)、オクスフォード クライスト・チャーチ W.ハッチおよびビアトリス・ハッチ嬢(事務局)およびロンドン・カウンティ・バンクとその支店で受け付けます。